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学会について
会長就任のあいさつ
日本動物細胞工学会会長
大政 健史(大阪大学)
2019年4月から、第15代目(9人目)の日本動物細胞工学会(JAACT)会長を拝命いたしました。本学会は学会としては2021年に創立30周年を迎えますが、学会として発足する前から国際シンポジウムを開催しており、私が初めて参加したのは、大学院生の時、1989年のつくばでの国際シンポジウムで、自身にとっても初めての国際学会でした。以来、30数年、動物細胞工学の分野に生物化学工学の立場から関わる研究を行っています。
さて、本学会は『動物細胞工学の進歩と普及を図る』ことを目的とした、「先端と産学共同」、「国際と学際」、「企業活動を援助する」、「実用重視」のユニークな学会です。動物細胞を対象とした細胞工学に関する基礎と応用分野の科学と技術の情報交換の場としてのJAACT国際会議と国内大会の開催、ならびに40回を超える動物細胞工学シンポジウムの開催を通じて、特に『食と健康』、『物質生産』を2つの大きな柱とした活動を行っています。
動物細胞工学は、生物工学、農芸化学、細胞生物学、生物化学工学等、様々な学問領域から構成されるなる学際領域です。動物細胞を対象とする科学と技術は、21世紀のバイオテクノロジーの発展と共に様々な分野に広がりをみせております。本学会では、これらの様々な分野における動物細胞工学をキーワードとした会員間の情報交換を整え、会員同士の結束と切磋琢磨、および若手の活動奨励を通じて、動物細胞工学分野の持続的発展と社会への貢献が重要な使命と考えております。
具体的には、以下の4つの重点実施項目を挙げたいと思います。
【会員間の情報交換】
●JAACT国際会議、国内大会、そして動物細胞工学シンポジウム、さらに会員の皆様へのニュースレターなど、様々な活動を通じてより活発な、かつ気軽な会員間の情報交換の場を提供いたします。
【国際交流の推進】
●発足時から密接なつながりがある欧州動物細胞工学会(ESACT)との交流や、Institutional MemberでもあるAFOB(アジアバイオテクノロジー連合:Asian Federation of Biotechnology)の活動などを通じて欧米やアジアとの様々なかたちでの交流もより活発に進めて、動物細胞工学グローバルな展開を目指します。
【会員同士の結束と切磋琢磨、表彰制度の充実】
●会員間の自由な組み合わせと発想での外部に向けたプロジェクト提案を推奨するとともに、会員の表彰制度の充実を通じて会員活動の活性化を推進します。
【若手の活動奨励】
●JAACTの会員の平均年齢も少子高齢化の影響で高くなってきております。そこで、引き続き積極的に若手会員の活動を奨励し、活性化するとともに、若手会員数を増やす試みを行います。
会員の皆様のご協力と動物細胞工学にご関心のある方々のご参加をお願い申し上げます。
日本動物細胞工学会の目指すもの
先端と産学共同、国際と学際、企業活動を援助する、実用重視のユニークな学会
行事
国際会議(International and Annual Meeting of Japanese Association for Animal Cell Technology)
秋に世界中の動物細胞工学研究者を集めて開催(1998年より偶数年秋に開催)
国内大会(日本動物細胞工学会大会、JAACT)
夏に国内の会員を集めて開催(1999年より奇数年夏に行っている)
動物細胞工学シンポジウム
年数回開催
※過去開催情報は、こちらのページよりご確認ください
日本動物細胞工学会会則・日本動物細胞工学会細則・日本動物細胞工学会奨励賞および技術賞選考規定
日本動物細胞工学会会則
(平成3年1月10日設立総会議決)
(平成4年7月9日総会一部変更)
(平成6年7月6日総会一部変更)
(平成7年7月27日総会一部変更)
(令和元年7月19日総会一部変更)
- 名 称 本会は日本動物細胞工学会(Japanese Association for Animal Cell Technology)と称する。
- 目 的 本会は動物細胞工学の進歩と普及を図ることを目的とする。
- 事 業 本会は前条の目的を達成するため、研究発表会、シンポジウム、講演会、会誌・会報の刊行等を行う。
- 会 員 会員は本会の趣旨に賛同する正会員、学生会員、名誉会員、団体会員からなる。定められた会費を納めた者を正会員、学生会員、団体会員とする。
- 名 誉 会 員 本会の育成、動物細胞工学の進歩に著しい功績のあった正会員を、評議員会の承認を経て名誉会員とし会費を免除する。
- 顧 問 顧問は動物細胞工学及び関連領域の発展に特に功績のあった者のうち、評議員会の推薦を受け、総会の承認を得て選出される。
- JAACTフェロー会員 JAACTフェロー会員は団体会員から登録された個人のうち、動物細胞工学及び関連領域の発展に特に功績のあった者を、幹事会の承認を経て選出される。
- 役 員 本会に次の役員を置く。会長(1名)及び副会長(4名以内)は評議員の互選により選出され、任期は2年とし、再任を妨げない。幹事(庶務、会計、編集、渉外、広報、例会)若干名及び会計監査(2名)は評議員会の承認を得て会長が委嘱する。任期は2年とし、再任は妨げない。会長、副会長、幹事により幹事会を構成する。幹事会は会の運営に関する事項を実施する。幹事会は必要に応じ各種委員会を設置できる。
- 評議員会 本会に評議員会を置く。評議員の任期は2年とし、再任を妨げない。評議員の選出法は細則に定める。評議員会は役員、評議員により構成され、年1回以上開催される。評議員会は本会の運営に関する諸事項の審議を行う。
- 総 会 総会は年1回以上開催するものとする。
- 会費の額は細則に定める。会費は前納とする。
- 会 計 本会の会計年度は4月1日から翌年3月31日までとする。予算は評議員会の承認を得た後、総会に報告するものとする。決算は会計監査後、評議員会の承認を得、総会に報告するものとする。
- 付 則 会則の変更には総会の出席者の3分の2以上の同意を得なければならない。会則を施行するため、必要に応じ別に細則を設けることができる。細則の決定と変更は評議員会出席者の3分の2以上の同意を得なければならない。
日本動物細胞工学会細則
(平成3年1月10日設立総会議決)
(平成3年9月4日評議員会一部変更)
(平成4年7月9日評議員会一部変更)
(平成5年7月8日評議員会一部変更)
(平成6年7月6日評議員会一部変更)
(平成24年9月3日評議員会一部変更)
(平成29年7月19日評議員会一部変更)
(平成30年11月5日評議員会一部変更)
(令和元年7月17日評議員会一部変更)
- 会員の入退会は幹事会の承認を必要とする。
- 年会費
・正会員(3,000円)
公的機関に所属する会員
個人会員(公的機関或いは企業の退職者)
海外会員
・学生会員(2,000円)
・団体会員(100,000円)
団体会員は団体所属正会員として10名まで登録できるものとする。但し、原則としてこの内3割は、当該年度39歳以下とする。
・団体会員(30,000円)
資本金またはそれに相当する資産の額が3000万円以下の国内企業或いは個人。上記の条件に当てはまるものは特例として入会後の3年間この条件で入会できる。団体所属正会員として3名まで登録できるものとする。
・名誉会員、JAACTフェロー会員及び顧問は会費不要とする。
・会員が会費の納入を2年間滞納した場合、幹事会の決議により、学会は会員資格を喪失させる事が
できる。 - 評議員選出法 評議員の定員は会員数の1割程度とし、半数は会長推薦により選出され、半数は会員の互選により選出される。欠員が出た場合、会長推薦により補充できる。
- 選挙管理委員長は会長が現評議員の中から指名する。選挙管理委員長は選挙管理委員若干名を正会員の中から指名する。
選挙管理員会は役員選挙要項をつくり、選挙事務を行う。選挙要項は幹事会の承認を得なければならない。
日本動物細胞工学会奨励賞および技術賞選考規定
日本動物細胞工学会奨励賞選考規定
Incitement Award of the Japanese Association for Animal Cell Technology
設立
日本動物細胞工学会は「日本動物細胞工学会奨励賞」を設ける。日本動物細胞工学会奨励賞の選考方法については以下の規定によって定める。
第1条 名称:本賞は,日本動物細胞工学会奨励賞と称する。
第2条 目的:本賞は,将来性のある若手研究者の研究を奨励し、本学会の活性化を図ることを目的とする。
第3条 受賞対象:本賞の受賞対象者は,動物細胞工学分野において顕著な業績をあげた者で、当該会計年度の4月1日現在満40歳未満、または独立した研究室を主宰していない者であり、応募時点で会員歴概ね2年以上である者とする。ただし、団体会員の場合は、原則として3名以内の共同研究者のグループ(グループの3名中の少なくとも2名が 40歳未満であること)として応募できる。対象となる研究の内容は、Cytotechnology誌または日本動物細胞工学会主催の大会・シンポジウムに発表されたものとする。原則として、一般会員および団体会員から各2件以内に授与される。なお、受賞者または受賞グループは再度応募できない。
第4条 応募方法:別に定める応募期限までに、推薦状(自薦可)ならびに履歴書、研究概要、研究業績・日本動物細胞工学会への貢献等の目録各1通を学会事務局に提出する。
第5条 選考:別に定める選考細則により審査し、決定する。
第6条 表彰:会長が発表し、賞状ならびに副賞を贈呈する。
第7条 附則:本則の改定は幹事会、評議員会を経て総会で行う。本則は平成16年6月29日より施行する。
選考細則:選考に際して幹事会は、選考委員を選定し、選考委員会を発足させる。選考委員会は内規により定めた選考基準に基づき応募書類を審査し、受賞者を決定する。
日本動物細胞工学会技術賞選考規定
Technology Award of the Japanese Association for Animal Cell Technology
設立
日本動物細胞工学会は「日本動物細胞工学会技術賞」を設ける。日本動物細胞工学会技術賞の選考方法については以下の規定によって定める。
第1条 名称: 本賞は,日本動物細胞工学会技術賞と称する。
第2条 目的: 本賞は,団体会員の業績を称え、本学会の活性化を図ることを目的とする。
第3条 受賞対象: 本賞の受賞対象者は,動物細胞工学分野でインパクトある技術を研究・開発した団体会員とする。対象となる研究の内容については、産業化を必須条件とせず、Cytotechnology誌または日本動物細胞工学会主催の大会・シンポジウムに発表されたものとする。原則として、年間1件に授与される。
第4条 応募方法: 別に定める応募期限までに、推薦状(自薦可)ならびに代表研究者(複数可)の履歴書、研究概要、研究業績・日本動物細胞工学会への貢献等の目録各1通を学会事務局に提出する。
第5条 技術賞選考委員会による推薦: 第4条による応募者の他に、技術賞選考委員会は技術賞候補を推薦することができる。
第6条 選考: 別に定める選考細則により審査し、決定する。
第7条 表彰: 会長が発表し、賞状ならびに副賞を贈呈する。
第8条 附則: 本則の改定は幹事会、評議員会を経て総会で行う。 本則は平成21年7月25日より施行する。
選考細則:
1)技術賞選考委員会委員は会長が委嘱する。2)技術賞選考委員会は、推薦した団体会員に対し応募必要書類提出を依頼する。3)提出された全ての応募書類は、技術賞選考委員会が取りまとめ、幹事会に選考を依頼する。4)選考に際して幹事会は、応募書類を審査し、受賞者を決定する。
JAACT奨励賞および技術賞
日本動物細胞工学会奨励賞
Incitement Award of the Japanese Association for Animal Cell Technology
受賞者 | ||
第1回 | 2004年度 |
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第2回 | 2005年度 |
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第3回 | 2006年度 |
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第4回 | 2007年度 |
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第5回 | 2008年度 |
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第6回 | 2009年度 |
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第7回 | 2010年度 |
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第8回 | 2011年度 |
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第9回 | 2012年度 |
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第10回 | 2013年度 |
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第11回 | 2014年度 |
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第12回 | 2015年度 |
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第13回 | 2016年度 |
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第14回 | 2017年度 | なし |
第15回 | 2018年度 | 「動物細胞を用いた効率的な組換えタンパク質発現のための細胞増殖制御および新規細胞の樹立」 山野-足立 範子(大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻物質生命工学コース生物化学工学領域) 「生体機能を調節するタンパク質翻訳後修飾の解析」 金岡 英徳(名古屋大学大学院工学研究科生命分子工学専攻) |
第16回 | 2019年度 | 「糖鎖合成経路を改変した哺乳動物細胞の樹立と利用」 三﨑 亮(国立大学法人大阪大学 生物工学国際交流センター) |
第17回 | 2020年度 | なし |
第18回 | 2021年度 | 「ヒトiPS細胞の大量培養プロセス構築に向けた基礎的研究」 堀江正信(京都大学放射性同位元素総合センター生物化学システム工学分野) |
第19回 | 2022年度 |
「細胞製造安定化・自動化・標準化のためのデータサイエンス研究」
蟹江慧 (近畿大学工学部・化学生命工学科) |
JAACT技術賞
Technology Award of the Japanese Association for Animal Cell Technology
受賞者 | ||
第1回 | 2009年度 |
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---|---|---|
第2回 | 2010年度 |
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第3回 | 2011年度 |
|
第4回 | 2012年度 |
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第5回 | 2013年度 |
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第6回 | 2014年度 |
|
第7回 | 2015年度 |
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第8回 | 2016年度 |
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第9回 | 2017年度 |
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第10回 | 2018年度 | 「バイオ医薬品製造の培養原料が及ぼす製造及び品質への影響評価」 平 就介、小口 智史、須澤 敏行(協和発酵キリン株式会社) |
第11回 | 2019年度 | 「Calcium-sensing receptor を用いた「コク味」物質の創出」 丸山 豊、黒田 素央(味の素(株)食品研究所) |
第12回 | 2020年度 | 「CHO-MK 細胞を用いた抗体医薬品製造用の発現細胞株構築―わずか 5 日間の流加培養で 10 g/L の抗体を生産する技術―」 堀内貴之、窪田みち、岩渕順真、岩間千草(株式会社ちとせ研究所) |
第13回 | 2021年度 | 「国産シングルユース製品の開発と、それらを活用したバイオ医薬、再生医療等製品の製造プロセス開発」 松田博行(藤森工業株式会社 ウェルネス事業本部) |